人に語りたくなる怖い話

趣味で集めた怖い話・怪談のご紹介と、話の理解や語り方について深めていくための分析録を記しております。

人に怪談を語ってみる - 怪談トーク(仮)のススメ -【前編】

こちらに手を伸ばす女性

【目次】

 

はじめに

今回の記事について

 今回の投稿は筆者のおすすめする怖い話の楽しみ方、「怪談トーク(仮)」の方法論について前・後編に分けてご紹介していく内容となっております。前編ではまず①怪談トーク(仮)とは②得られるメリット・デメリット、そして③実施する目的までをご説明いたします。

 

「怪談イベント」とは全くの別物

 まずはじめに、ここでお話する「怪談トーク(仮)」とは、前もってハコを押さえた上で人を集めて数名の話者が語りを披露する所謂「怪談イベント」への登壇を目指そうという趣旨ではありません。

さらに言うなら、予めスケジュールを段取って行うものですらありません。日常生活の隙間時間で、日々の雑談の中で、学校の同級生や会社の同僚に対して、しれっと怖い話を語り出す、「トークテーマ”怖い話”」の時間を設けてみようというお話です。(自分で名付けておきながら“怪談トーク”があまりしっくりきていないので現状仮称です。。ネーミング募集中です。。)

 

怪談トーク(仮)の定義

定義という程仰々しい内容でもないのですが、今回話を進めていく上では以下のように定めておきたいと思います。

  • 参加者が自分を含めて2名以上である。(目の前に聴き手がいればOK)
  • 自分の語りに対して、参加者からのフィードバックをもらう。
  • 参加者にも自分と異なる怖い話を1つ以上語ってもらう。

要するに、人を目の前にして怪談を語り、語りに対しての感想も聞く、怖い話を知っていれば教えてもらうというただそれだけです。

 

メリット・デメリット

話の組み立てと語りの訓練

目の前の人に対して、怖い話を怖く伝えるにはコツがあります。それは自分の話を聴いてくれる方々が「語りへのリアクション」という形で教えてくれます。どの順番で話せば伝わるのか、声のボリュームやトーンはどの程度がいいのか、どこで息を吸ってどこまでを一息で話せばいいのか、食いついているか飽きているか、など語り手の一挙手一投足全てに対してタイムリーに跳ね返ってくるからです。様々な話を色々な人に語って聴者の反応を分析していくことで、次に語る時は話をもう少し膨らませてみる、あるいは余計な描写を外してみるなど創意工夫が生まれ、怖い話の構成と語りの精度は研ぎ澄まされていくのです。

 

「怖い」の傾向を知る

怪談蒐集の方針としては、大きく2つに分かれると思います。ひとつは自分の好きな話を集めていくこと、そしてもうひとつは人に語ることで怖いと思ってもらえる話を集めていくことです。「何に恐怖を感じるのか」は人によって大きく趣向が異なります。例えばざっくり思いついた系統を以下に7つ挙げてみました。

【怖い話のテーマ例 7パターン】

  1. 非常にリアルな実話心霊体験系
  2. 現実離れな描写の多いサイコパス人間系
  3. 実際にあった殺人事件・未解決事件系
  4. 「~をしてはいけない」呪い・祟り系
  5. 隠れた黒い歴史を紐解く戦争事実系
  6. 由来や体験を含んだ心霊スポット系
  7. 日本古来の言い伝え・習わし系

その現場が実際にあるorない、登場人物が現実にいるorいない、話の設定が現在or過去、恐怖の対象が霊or人、事実に基づいているorいないなどの組み合わせで分類してみたものですが、きっと人によって1~7番のどの話が聴きたいかは異なってきます。現場で直接話してみることで、自分以外の人達は何に恐怖を抱くのか、その傾向を探ることができます。怪談セレクトのセンス向上に役立つ、ミニマーケティングになるのです。

 

「生の話」と出会う

怪談好きの皆様なら「今まで聞いたことの無いような話に出会いたい」という根源的な欲求があるのではないでしょうか。その中で「まだ誰の色もついていない話」を探していくのであれば、これはやはりネットでも本でもなく、「人から直接話を聞く」のが最も手っ取り早い方法です。他にも心霊スポットに直接足を運ぶなどして取材を繰り返す、怪奇体験談を募集するなどの方法もありますが、「人に語ってもらう」ことが、やはり最も効率が良くてコストパフォーマンスの高い、新作の蒐集におすすめの手法となります。

 

強いて挙げるデメリット

強いてデメリットを挙げるなら、この怪談トーク(仮)が上手くいって2時間を越えるような長丁場となった場合は、おそらくその場のメンバーが全員「何を聞いても怖いモード」に陥るという点です。どんな些細な音でも物でも全て怖く感じて、トイレに行くにも勇気が必要な状態です。「全員をしっかり怖がらせることが目的」の会であれば万々歳なのですが、例えば合コンなど他の目的が主眼の場合は話をする前の浮かれた楽しい空気に戻すことが困難になりますので、その点にご留意いただけますと幸いです。また、そもそも「怖い話が嫌い」という方々も勿論一定数いらっしゃいますので、お気をつけください。

 

実施する目的

怪談トーク(仮)を行う主な目的は、上記で挙げたメリットのうちのどれかになると思います。一度実施すればもれなく3つのメリットが同時に獲得できますが、慣れないうちは以下3つのうち、どれかを意識して実施すると気づきが得られやすいでしょう。

【怪談トーク(仮)の目的 3つ】

  1. 怪談の試運転、スキルの向上
  2. ミニマーケティング
  3. 新ネタの蒐集

 

 次回

今回の内容はここまでとなります。次回、「人に怪談を語ってみる - 怪談トーク(仮)のススメ -【後編】」では、日常でトークを実践する際の切り出し方や事前に用意しておくネタの選定基準などをご紹介したいと思います。もし興味をお持ちの方がいらっしゃいましたら、またご覧いただけますと幸いです。

以上、最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

 

【後編】はこちらから↓

人に怪談を語ってみる - 怪談トーク(仮)のススメ -【後編】 - 人に語りたくなる怖い話